小児歯科について
なぜ子どもの歯が大切か
虫歯や歯周病は、原因菌・生活習慣・治療状態などの要素が絡み合い、一度なってしまうとなかなか「負の連鎖」から抜け出せなくなります。歯医者になり、歯科医師として働いてきた中で痛感してきたことです。
一般的に虫歯や歯周病になった場合、歯科を受診し治療を受け治します。
「治す」といっても歯を削って詰めものをしたり、歯肉を手術したりするのですが、どんなに名医と言われる歯科医師が費用と時間、技術を惜しみなく費やしたとしても、本来の健康な歯や歯肉と同じになることはありません。
歯科治療は全部とは言いませんが「2つに破れた紙をテープでなおす」ことであり、どんなに上手に治したとしてもそれは「上手にテープが貼れただけ」で「破った紙をもとに戻すこと」は不可能です。
テープもいつかは剥がれます。口の中は外と違い湿度があります、物の接着には湿度が大きく作用し接着を阻害します。
どうすればよいか?・・そうです!ならなければいいんです。虫歯に!大人の歯が生える前から虫歯をなくし大人としての歯のスタート(13~15歳に大人の歯が全部生える)時に虫歯、歯周病のない口の中をつくってあげる事が私たちの役目であり親の子育て義務であるのです。
そのためには乳歯が生え始める1歳半から永久歯が生える5歳半ば頃までにケアを始め、生活習慣の改善できるところはして、効果的な予防処置、正しいブラッシングを覚える事が、これから生えてくる永久歯を虫歯にしないことにつながるのです。
なぜ乳歯は虫歯になりやすいのか?
- 乳歯は永久歯と比べると、エナメル質や象牙質が半分程度の厚さしかないため
- 哺乳瓶やお菓子を与えることが多いと、口の中に糖がある状態が長くなるため
- 乳歯は歯と歯の間に物がはさまりやすいため
- 乳歯は歯列がでこぼこしていて、うまく歯磨きしにくいため
ご家庭でできること
- 甘いものは1日数回など決める
- 1日1回の仕上げ磨き
- 1日1回デンタルフロス
(夜のハブラシの後に) - 1日1回フッ素ジェル
(仕上げ磨きの後に)
歯科医院でできること
- 歯磨きトレーニング
- シーラント処置
(歯の溝からの虫歯を防ぐ) - 歯質強化(歯を丈夫にする)フッ素塗布
(3か月に1回) - 定期健診(3か月に1回チェック)
歯科医院で使うフッ素は市販のものよりフッ素の濃度が高くなっております。
シーラント処置(歯の溝からの虫歯を防ぐ)
奥歯のかむ面や上前歯の裏側にある溝は、汚れが溜まりやすく虫歯のできやすい部位です。また、溝が細いところは歯ブラシの毛先より細く、1度溜まった汚れは歯ブラシで容易に取れません。
このような歯の溝を専用の機械で完全にきれいにした後、フッ素が放出される樹脂で溝を埋めて、汚れやばい菌が入り込まないようにするのがシーラント処置です。 この処置は、乳歯や生えたての永久歯に効果があります。
※噛み合わせの変化により3か月程でとれる場合もあります。3か月ごとの検診をおすすめします。
無料フッ素塗布・無料充填
フッソ塗布や予防充填によって、完全ではありませんが、ある程度の虫歯を予防する事ができます。当医院では小学生までのお子様を対象に、フッ素塗布と予防充填を無料で行っています。